理想の暮らしを叶えるオーダーメイド住宅|おしゃれな建築実例30選と間取りのヒント

    理想の暮らしを形にするオーダーメイド住宅。その魅力に惹かれつつも、注文住宅との違いや費用、何から始めるべきかなど、多くの疑問や不安を抱えていませんか。この記事では、家づくりのプロが、オーダーメイド住宅のメリット・デメリットといった基礎知識から、インスピレーションが湧くおしゃれな建築実例30選、暮らしを豊かにする間取りのヒント、気になる費用相場と予算の考え方まで、後悔しない家づくりの全知識を徹底解説します。家づくりの流れや信頼できる依頼先選びの比較ポイントも網羅。理想の住まいを実現する成功の秘訣は、正しい知識を得て計画的に進めることです。この記事が、あなたの理想の家づくりへの確かな一歩となるでしょう。

    目次

    オーダーメイド住宅とは 理想を形にする家づくり

    オーダーメイド住宅とは、その名の通り、施主(建築主)の要望やライフスタイルに合わせて、ゼロから設計・建築する世界に一つだけの家を指します。間取りやデザインはもちろん、壁紙や床材といった内装、キッチンや浴室などの設備、コンセントの位置一つに至るまで、あらゆる要素を自由に選択できるのが最大の特徴です。家族のこだわりや価値観を隅々まで反映させ、理想の暮らしを具現化するための最適な家づくりと言えるでしょう。

    決まった形がないため、土地の形状や周辺環境を最大限に活かした設計が可能です。例えば、変形地でも光と風を巧みに取り入れたり、素晴らしい景色を望む場所に大きな窓を設けたりと、その土地ならではの魅力を引き出すことができます。まさに「自分たちのための服」を仕立てるように、暮らしに完璧にフィットする住まいを創り上げるのが、オーダーメイド住宅の醍醐味です。

    注文住宅や建売住宅との違い

    家づくりの選択肢には、オーダーメイド住宅の他に「注文住宅」や「建売住宅」があります。これらは設計の自由度や購入プロセスが大きく異なります。オーダーメイド住宅は広義では注文住宅の一種ですが、ここではそれぞれの特徴を比較し、違いを明確に理解しましょう。

    種類オーダーメイド住宅(フルオーダー)建売住宅(分譲住宅)
    設計の自由度非常に高い。間取り、デザイン、素材、設備など全てを自由に決められる。基本的に不可。完成済みの建物を購入するため、間取りや仕様の変更はできない。
    土地土地探しから始めるか、所有している土地に建てる。土地と建物がセットで販売されている。
    費用仕様やこだわりに比例して高くなる傾向がある。予算に合わせて調整可能。土地と建物の総額が明確で、資金計画を立てやすい。
    入居までの期間土地探しから含めると1年以上かかることも多い。設計や打ち合わせに時間がかかる。契約後、手続きが済めばすぐに入居できる場合が多い。
    完成形の確認図面や模型、パースなどで確認する。完成するまで実物は見られない。購入前に実物を見学できるため、生活のイメージが湧きやすい。

    建売住宅が「完成品の服」を選ぶのに似ているとすれば、オーダーメイド住宅は「生地やデザインから選んで仕立てる服」に例えられます。どちらが良いというわけではなく、ご自身の価値観やライフプランに合った選択をすることが重要です。

    フルオーダーとセミオーダー住宅の違い

    オーダーメイド住宅(注文住宅)は、さらに自由度の高さによって「フルオーダー」と「セミオーダー」に分けられます。理想の家づくりを進める上で、この二つの違いを理解しておくことは非常に大切です。

    フルオーダー住宅

    フルオーダー住宅は、建築家や設計事務所などとタッグを組み、白紙の状態から完全に自由な発想で家を創り上げていくスタイルです。法律などの制約の範囲内であれば、間取り、外観デザイン、構造、断熱材、窓の種類、ドアノブ一つに至るまで、あらゆる要素を施主の意向で決定できます。唯一無二のこだわりの空間を実現したい方や、特殊な形状の土地を有効活用したい方に最適な方法です。

    セミオーダー住宅

    セミオーダー住宅は、ハウスメーカーや工務店が用意した複数の基本プラン(間取り・デザイン)や仕様の中から、好みのものを組み合わせていくスタイルです。「規格住宅」とも呼ばれます。フルオーダーほどの完全な自由度はありませんが、用意された選択肢の中で壁紙の色を変えたり、キッチンのグレードを上げたりといったカスタマイズが可能です。品質が安定しやすく、打ち合わせの回数も抑えられるため、コストや工期を予測しやすいというメリットがあります。こだわりたいポイントは明確にしつつ、効率的に家づくりを進めたい方に向いています。

    項目フルオーダー住宅セミオーダー住宅
    設計の自由度非常に高い。制約の中でゼロから自由に設計できる。基本プランや仕様の範囲内で選択・変更が可能。
    仕様・設備の選択肢無限。国内外のあらゆるメーカーから自由に選べる。提携メーカーや標準仕様の中から選ぶのが基本。
    費用感こだわりに比例して高くなる傾向。設計料が別途必要な場合が多い。仕様がある程度決まっているため、価格が分かりやすく予算を組みやすい。
    工期設計に時間がかかるため、長くなる傾向がある。プランニングが効率的なため、比較的短い期間で完成する。
    主な依頼先設計事務所、一部の工務店ハウスメーカー、工務店

    オーダーメイド住宅のメリットとデメリット

    オーダーメイド住宅のメリットとデメリット 自由度の高さと負担面を比較して、納得の家づくりを目指す メリット デメリット 暮らしに合わせた自由な設計 間取り・デザイン・設備をゼロから計画でき、 家族構成や将来の変化にフィットする住まいにしやすい こだわりを追求できる満足感 素材・内装・趣味スペースまで細部を選べるため、 「自分たちだけの家」という強い愛着が生まれやすい メリットを活かすポイント ・建築家や設計士と対話を重ね、理想を具体化する ・家族の暮らし方や将来像を事前に共有しておく 費用がかかりやすい 自由度が高い分、こだわりを追加するほどコスト増。 設計監理料なども含めた総予算管理が必要 時間・労力がかかる 打ち合わせや選択事項が多く、入居まで長期化しがち。 情報収集と家族間の調整にも手間がかかる 完成形のイメージがしにくい 図面だけでは広さや光の入り方を想像しづらい。 モデルハウス・3D・VRで具体的に確認することが大切 メリットとデメリットを比較し、自分たちのライフプランに合うかを判断する 予算・時間・理想の暮らしを総合的に検討することが、後悔しない家づくりのポイント

    オーダーメイド住宅は、理想の暮らしを追求できる魅力的な選択肢ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。家づくりを始めてから後悔しないために、双方を正しく理解し、ご自身のライフプランや価値観に合っているかを見極めることが重要です。ここでは、オーダーメイド住宅の主なメリットとデメリットを詳しく解説します。

    メリット 暮らしに合わせた自由な設計

    オーダーメイド住宅最大のメリットは、間取りやデザイン、設備などをゼロから自由に設計できる点にあります。既成のプランに自分たちを合わせるのではなく、家族構成やライフスタイル、将来の暮らしの変化まで見据えて、最適な住まいを創り上げることが可能です。

    例えば、以下のような希望を具体的に形にできます。

    • 家族が自然と集まる、吹き抜けのある開放的なリビング
    • 料理をしながら子供の様子が見える、回遊性の高いアイランドキッチン
    • リモートワークに集中できる、静かで快適な書斎スペース
    • 変形地や狭小地といった土地の特性を最大限に活かした、独創的な空間設計
    • 将来の二世帯同居を視野に入れた、可変性のある間取り

    このように、建売住宅や規格化された住宅では実現が難しい、細部にわたる要望に応えられるのがオーダーメイド住宅の強みです。建築家や設計士と対話を重ねながら、暮らしに完璧にフィットする住まいを追求できます。

    メリット こだわりを追求できる満足感

    自由な設計と並ぶもう一つの大きなメリットが、「自分たちだけの家」を創り上げるという過程で得られる高い満足感です。外壁の素材から内装の仕上げ、ドアノブや照明器具といった細かなパーツに至るまで、一つひとつ自分たちの目で見て、触れて、選ぶことができます。

    趣味を存分に楽しむための空間づくりも自由自在です。

    • 愛車を眺めながら過ごせるビルトインガレージ
    • 大画面で映画鑑賞ができるシアタールーム
    • 楽器の演奏や音楽制作に没頭できる防音室
    • 作品づくりに集中できるアトリエ

    これらのこだわりを詰め込んだ住まいは、単なる「住む場所」を超え、日々の暮らしを豊かに彩るかけがえのない空間となります。建築家や工務店と共に試行錯誤しながら理想を形にしていくプロセスそのものが、忘れられない思い出となり、完成した家への愛着をより一層深めてくれるでしょう。

    デメリット 費用や時間がかかる点を理解する

    理想を追求できる一方で、オーダーメイド住宅には費用と時間の面でデメリットが存在します。これらを事前に理解し、計画的に進めることが、家づくりを成功させるための鍵となります。

    まず、費用面では、設計の自由度が高い分、建売住宅やセミオーダー住宅に比べてコストが上昇する傾向にあります。デザインや素材にこだわるほど費用は加算されていくため、どこに予算をかけ、どこを工夫するかという優先順位付けが不可欠です。また、建築家や設計士に依頼する場合は、工事費とは別に設計監理料が必要になる点も念頭に置いておきましょう。

    時間と労力がかかる点も大きな特徴です。ゼロからプランを練り上げるため、設計段階での打ち合わせに多くの時間を要します。土地探しから始めると、入居までに1年半から2年以上かかることも珍しくありません。また、間取りから設備、内装材まで、膨大な数の選択肢の中から一つひとつ意思決定をしていく必要があり、ご家族での話し合いや情報収集に相応の労力が求められます。

    これらのデメリットをまとめたものが、以下の表です。

    項目具体的な内容対策のポイント
    費用設計の自由度が高いため、建築コストが割高になる傾向がある。こだわりを追加するごとに費用が加算される。設計監理料が別途必要になる場合がある。家づくりにおける優先順位を明確にし、予算配分を計画的に行う。信頼できる依頼先に資金計画を相談し、コストコントロールのアドバイスを受ける。
    時間・労力設計の打ち合わせ回数が多く、プラン決定までに時間がかかる。土地探しから入居までの期間が長い。仕様や設備など、決めるべき項目が多く、施主側の負担が大きい。家づくりの全体スケジュールを把握し、余裕を持った計画を立てる。家族間で理想の暮らしについて事前に話し合い、要望を整理しておく。
    完成形のイメージ図面やパースだけでは、実際の空間の広さや光の入り方などを正確にイメージしにくい場合がある。完成見学会やモデルハウスに足を運び、空間のスケール感を体感する。3DパースやVRなどを活用して、完成イメージの共有を図る。

    オーダーメイド住宅は、時間とコストをかけてじっくりと理想の住まいを追求したい方にとって、最高の選択肢となり得ます。デメリットを正しく理解し、信頼できるパートナーと共に計画的に進めることで、後悔のない満足度の高い家づくりを実現できるでしょう。

    【テーマ別】おしゃれなオーダーメイド住宅の建築実例30選

    ここでは、理想の暮らしを叶えるためのヒントが詰まった、おしゃれなオーダーメイド住宅の建築実例をテーマ別に30件ご紹介します。外観デザインから内装の細部に至るまで、こだわりが光る住まいは、あなたの家づくりのインスピレーションを刺激するはずです。リビング、キッチン、そして趣味の空間という3つの視点から、具体的な間取りや設計の工夫を見ていきましょう。

    開放感あふれるリビングのある家 実例10選

    家族が集うリビングは、住まいの中心となる大切な空間です。吹き抜けや大開口、勾配天井などを取り入れることで、実際の面積以上の広がりと心地よさを感じられるようになります。光と風を巧みに取り入れた、開放的なリビングの実例をご覧ください。

    実例1:吹き抜けと高窓で光が降り注ぐリビング

    リビングの上部を大きな吹き抜けにし、高窓(ハイサイドライト)を設置した実例です。周囲の視線を気にすることなく安定した自然光を室内の奥まで届け、一日を通して明るい空間を保ちます。シーリングファンを設置すれば、空気を循環させて冷暖房効率も高められます。

    実例2:ウッドデッキとひと続きになるフルフラットのリビング

    リビングの掃き出し窓のサッシを床に埋め込み、室内と屋外のウッドデッキを段差なくつなげた設計です。窓を全開にすれば、内外が一体化した広大なアウトリビングとして活用でき、バーベキューやホームパーティーなど、暮らしの楽しみが大きく広がります。

    実例3:勾配天井が美しい平屋のLDK

    ワンフロアで生活が完結する平屋のメリットを活かし、屋根の形状に沿って天井を高くした勾配天井のリビングです。縦への広がりが生まれ、平屋とは思えないほどの開放感を演出します。梁(はり)を現しにすれば、デザインのアクセントにもなります。

    実例4:中庭を囲む「コの字型」のプライベートリビング

    建物を「コの字型」に配置し、中央に中庭を設けた間取りです。リビングの三方向から中庭を眺めることができ、プライバシーを確保しながらも、光と緑を身近に感じられる特別な空間が生まれます。カーテンなしで過ごせる時間が増えるのも魅力です。

    実例5:スキップフロアでゆるやかにつながる空間

    床に高低差をつけるスキップフロアを採用し、リビングとダイニング、スタディスペースなどをゆるやかにつなげた実例です。壁で仕切らずに空間の役割を分けることで、家族の気配を感じながらも、それぞれの時間を過ごせる心地よい距離感を生み出します。

    実例6:景色を切り取るピクチャーウィンドウのある家

    壁面いっぱいに大きなFIX窓(はめ殺し窓)を設け、まるで一枚の絵画のように外の景色を切り取る設計です。借景をインテリアの一部として取り込み、季節の移ろいを感じながら過ごす時間は、日々の暮らしに豊かさをもたらしてくれます。

    実例7:ダウンフロアでつくる「おこもり感」のあるリビング

    リビングの床を一段下げるダウンフロア(ピットリビング)は、空間にメリハリを与えます。天井が高く感じられる効果と、周囲が囲まれた「おこもり感」が生まれ、家族が自然と集まるリラックス空間になります。

    実例8:アイランドキッチンが主役のホテルライクなLDK

    リビングダイニングの中心にデザイン性の高いアイランドキッチンを配置。キッチン自体がインテリアの主役となり、料理をしながら家族やゲストとの会話を楽しめる、コミュニケーション豊かな空間を実現します。

    実例9:無垢材と漆喰で仕上げた自然素材の心地よいリビング

    床には足触りの良い無垢材、壁には調湿効果のある漆喰(しっくい)など、自然素材をふんだんに使用したリビングです。素材そのものの風合いや温かみが、化学製品にはない安らぎを与え、健やかで心地よい空気環境を整えます。

    実例10:セカンドリビングで暮らしの幅を広げる家

    メインのリビングとは別に、2階ホールや小屋裏などに小さなセカンドリビングを設けた実例です。子どもの遊び場や読書スペース、来客時の応接スペースなど、多目的に使えることで、暮らしのシーンに応じて柔軟に対応できます。

    実例テーマ設計のポイント実現できる暮らし
    吹き抜けと高窓縦空間の活用、安定した採光明るく開放的で、家族の一体感が生まれる暮らし
    ウッドデッキとの連続性フルフラット設計、大開口サッシ室内外が一体となったアウトリビングを楽しむ暮らし
    平屋の勾配天井屋根形状を活かした天井高、構造材の現し面積以上の広がりを感じる、デザイン性の高い暮らし
    中庭を囲む設計コの字型・ロの字型の建物配置プライバシーを守りながら自然を感じる豊かな暮らし
    スキップフロア床レベルの変更による空間の仕切り家族の気配を感じながら個々の時間を尊重する暮らし
    ピクチャーウィンドウFIX窓の戦略的な配置、借景の活用季節の移ろいをアートのように楽しむ暮らし
    ダウンフロアリビング床面を一段下げる設計落ち着きと特別感を両立したリラックスできる暮らし
    主役のアイランドキッチンLDK中心へのキッチン配置、回遊性コミュニケーションが弾むオープンな暮らし
    自然素材の活用無垢材、漆喰、珪藻土などの採用心身ともに安らげる健やかで心地よい暮らし
    セカンドリビングホールや余剰空間の活用ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる暮らし

    家事動線が秀逸なキッチンのある家 実例10選

    毎日の家事をスムーズにする動線計画は、暮らしの快適さを大きく左右します。特にキッチン周りは、料理、配膳、片付けといった一連の作業効率を考慮した設計が重要です。ここでは、家事の時短を叶える、機能的で美しいキッチンの実例をご紹介します。

    実例11:キッチン中心の回遊動線で家事効率アップ

    アイランドキッチンやペニンシュラキッチンを中心に、ぐるりと一周できる回遊動線を確保した間取りです。行き止まりがなく、複数人での作業もスムーズ。キッチンからパントリー、洗面脱衣室へとつながる動線は、料理と洗濯を同時進行しやすく、家事の時短に大きく貢献します。

    実例12:「洗う→干す→しまう」が一直線のランドリー動線

    洗面脱衣室、室内干しスペース(ランドリールーム)、ファミリークローゼットを隣接させ、洗濯の一連の作業が最短距離で完結する動線です。重い洗濯物を持って移動する手間が省け、天候に左右されずに洗濯できるため、共働き世帯にも人気の間取りです。

    実例13:玄関から直行できる大容量パントリー

    玄関のシューズクロークから直接キッチン横のパントリーへアクセスできる動線を確保。買い物から帰宅後、重い米や飲料をすぐに収納できるため非常に便利です。ストック品を一元管理できるため、キッチンスペースは常にすっきりと保てます。

    実例14:ダイニングテーブル一体型のキッチン

    キッチンの作業台(カウンター)とダイニングテーブルを一体で造作したデザインです。調理した料理をすぐに配膳でき、食後の片付けもスムーズ。スペースを有効活用できるだけでなく、家族とのコミュニケーションも取りやすいのが特長です。

    実例15:生活感を隠す2WAYキッチン

    お客様が通るメイン動線から見える「見せるキッチン」と、冷蔵庫や家電、ゴミ箱などを置く「隠すバックヤード(パントリー)」を分けた2WAY動線のキッチンです。急な来客時でも生活感をさっと隠せ、常に美しい空間を維持できます。

    実例16:キッチン横に設けたママ・パパコーナー

    キッチンのすぐ横に、家事の合間に一息ついたり、PC作業をしたりできる小さなカウンタースペースを設置。子どもの宿題を見るスタディコーナーとしても活用でき、家族の気配を感じながら自分の時間も持てる多機能な空間です。

    実例17:掃除のしやすさを追求したキッチン設計

    ワークトップには汚れや熱に強い人工大理石やセラミック素材を採用し、コンロ周りの壁は目地のないキッチンパネルに。シンクは継ぎ目のない一体成型タイプを選ぶなど、日々の掃除の手間を徹底的に省く工夫を凝らした実例です。

    実例18:ゴミ出し動線まで考慮した勝手口

    キッチンの奥にゴミを一時保管できるスペースと、屋外へ直接出られる勝手口を設けた間取りです。分別したゴミを室内に溜め込むことなく、スマートにゴミ出しができます。臭いの問題も軽減され、キッチンを清潔に保てます。

    実例19:Ⅱ型キッチンで作業スペースを最大化

    シンクとコンロを二列に分けて平行に配置するⅡ型(セパレート型)キッチン。作業スペースが広く、振り返るだけでシンクとコンロを使えるため、調理効率が格段に上がります。複数人での料理にも適しています。

    実例20:2階に水回りを集約した家事ラク動線

    浴室、洗面、ランドリールーム、クローゼットといった水回りと収納をすべて2階に集約。洗濯物を干すバルコニーも2階にあれば、1階と2階を往復する必要がなくなります。プライベート空間が2階で完結するため、1階は広々としたLDKを実現しやすくなります。

    実例テーマ設計のポイント実現できる暮らし
    キッチン中心の回遊動線行き止まりのない動線計画複数人でも作業しやすく、家事効率が上がる暮らし
    一直線のランドリー動線洗う・干す・しまうの集約洗濯の負担が劇的に軽減される、時短を叶える暮らし
    玄関直結パントリー帰宅後すぐの収納動線買い物の片付けが楽になり、キッチンがすっきりする暮らし
    ダイニング一体型キッチンカウンターとテーブルの連続性配膳・片付けがスムーズで、家族の会話が弾む暮らし
    2WAYキッチン見せる空間と隠す空間の分離生活感を隠し、常に美しい状態を保てる暮らし
    キッチン横の多機能コーナーカウンタースペースの設置家事と自分の時間、子どもの学習を両立する暮らし
    掃除しやすい素材・設計高機能素材の採用、目地や段差の削減日々のメンテナンスが楽になる、心に余裕が生まれる暮らし
    ゴミ出し動線を考慮した設計勝手口とゴミ保管スペースの設置ゴミ問題をスマートに解決し、清潔を保てる暮らし
    Ⅱ型キッチンシンクとコンロの並列配置広い作業台で効率よく料理を楽しめる暮らし
    2階水回り集約家事動線の垂直移動をなくす家事の移動負担を減らし、1階をパブリック空間として広く使う暮らし

    趣味や仕事を楽しむ空間のある家 実例10選

    オーダーメイド住宅の醍醐味は、ライフスタイルに合わせて趣味や仕事に没頭できる特別な空間をつくれることです。インナーガレージや書斎、シアタールームなど、暮らしをより豊かにする「+α」の空間を取り入れた実例をご紹介します。

    実例21:愛車を眺めるビルトインガレージのある家

    建物の一部に駐車スペースを組み込んだビルトインガレージ(インナーガレージ)。リビングや書斎からガラス越しに愛車を眺められる設計は、車好きにはたまらない空間です。天候に左右されずに乗り降りやメンテナンスができるという実用的なメリットもあります。

    実例22:本格的な音響設備のシアタールーム

    防音・遮音性能を高めた専用室に、大画面のスクリーンとプロジェクター、サラウンドシステムを導入したシアタールーム。周囲を気にすることなく、映画館のような臨場感で映像と音楽を楽しめます。家族や友人と特別な時間を共有できる空間です。

    実例23:リモートワークに集中できる独立型の書斎

    リビングから離れた場所に設けた、完全に独立した書斎。生活音をシャットアウトし、オンライン会議などにも集中できるため、在宅勤務が中心の方に最適です。造作の本棚やカウンターを設ければ、自分だけの理想のワークスペースが完成します。

    実例24:楽器演奏も可能な防音室

    ピアノやギター、ドラムなどの楽器演奏を気兼ねなく楽しむための防音室。二重サッシや防音ドア、吸音材などを適切に施工することで、近隣への音漏れを心配することなく、いつでも好きな時に音楽に没頭できます。

    実例25:アウトドアリビングとして活躍する広々とした土間

    玄関からリビングまで続く、コンクリートやタイルで仕上げた土間スペース。自転車やベビーカー、アウトドア用品などを汚れを気にせず置けるだけでなく、DIYの作業場や子どもの遊び場としても活躍する多目的な空間です。

    実例26:家族の気配を感じるリビング横のワークスペース

    リビングの一角に、壁や格子でゆるやかに仕切られたワークスペースを設けた実例です。完全に孤立せず、家族の気配を感じながら仕事や作業ができるため、小さなお子様がいるご家庭にも安心です。

    実例27:創作活動に没頭できるアトリエ

    絵画や陶芸、ハンドメイドなどの創作活動のためのアトリエ。作品や道具を広げたままにできる専用の空間は、趣味の時間をより充実させてくれます。北向きの安定した光を取り込める窓や、作品を洗いやすい大きなシンクなどを設ける工夫も可能です。

    実例28:壁一面の本棚があるライブラリースペース

    廊下や2階ホール、階段の壁面などを利用して、床から天井までの本棚を造作したライブラリースペース。膨大な蔵書を美しく収納できるだけでなく、空間そのものが知的な雰囲気に包まれます。近くに読書用の椅子を置けば、家族の図書室になります。

    実例29:屋上テラスで楽しむグランピング

    プライベートな屋外空間である屋上を活用し、ウッドデッキや芝生を敷いたテラス。周囲の視線を気にせず、気軽にグランピングや天体観測を楽しめます。水道や電源を設置すれば、さらに活用の幅が広がります。

    実例30:トレーニングに打ち込めるホームジム

    自宅の一室を、トレーニング器具を置けるホームジムに。床の補強や防振対策を施すことで、本格的なトレーニングが可能になります。好きな時間に好きなだけ運動できる環境は、健康的なライフスタイルをサポートします。

    実例テーマ設計のポイント実現できる暮らし
    ビルトインガレージ室内からの眺め、天候に左右されない動線愛車を身近に感じ、メンテナンスも楽しめる暮らし
    シアタールーム防音・遮音設計、映像・音響設備の導入映画館のような没入感でエンターテイメントを味わう暮らし
    独立型の書斎生活空間との分離、集中できる環境づくりリモートワークや勉強に集中できるメリハリのある暮らし
    防音室高い遮音性能を持つ建材・設備の採用時間を気にせず楽器演奏や音楽鑑賞に没頭できる暮らし
    多目的土間スペース内外の中間領域、汚れに強い床材趣味や遊びをアクティブに楽しむ、懐の深い暮らし
    リビング横のワークスペースゆるやかな仕切り、家族とのつながり家族の気配を感じながら安心して仕事や作業ができる暮らし
    アトリエ作業に合わせた採光計画、専用設備創作活動に心ゆくまで打ち込める充実した暮らし
    ライブラリースペース壁面収納の活用、読書スペースの確保本に囲まれ、知的好奇心を満たせる豊かな暮らし
    屋上テラスプライベートな屋外空間の創出非日常のアウトドア体験を自宅で気軽に楽しむ暮らし
    ホームジム床補強、防振対策、換気計画好きな時間にトレーニングできる健康的な暮らし

    理想の暮らしを叶えるオーダーメイド住宅の間取りのヒント

    理想の暮らしを叶える3つの間取りの視点 家族構成・収納計画・光と風をバランスよく計画する 家族構成×間取り ・現在と将来のライフステージを想定 ・可変性のあるフリースペースを用意 夫婦二人 ・趣味の部屋や書斎を確保 ・将来の子供部屋になる予備室 子育て世代 ・見守りやすいLDKとキッズスペース ・成長に合わせて分割できる子供部屋 二世帯 ・玄関・水回りの分離/共有を計画 ・プライバシーと交流のバランス 収納計画でスッキリ暮らす ・量より「質」と「配置」が重要 ・動線上に必要な収納を配置 玄関 ・SICで靴・アウトドア用品を一括収納 キッチン ・パントリーで食品・器具をストック 個室・リビング ・WICで衣類を集約 ・リビング収納で共有物を整理 水回り ・洗面脱衣室にリネン庫 ・延床面積の12〜15%を目安に計画 光と風を取り込む設計 ・パッシブデザインで快適&省エネ 窓の配置 ・南:日射取得、北:安定した採光 ・対角線上の窓で通風を確保 吹き抜け・高窓 ・1階奥まで光を届ける ・隣家が近くても明るさとプライバシー 中庭・ウッドデッキ ・全室に光と風を行き渡らせる ・内と外をゆるやかにつなぐ 視線の抜け ・窓の位置とガラス間仕切りで奥行き感 「家族構成」「収納」「光と風」をセットで考えることで、 デザイン性と機能性、将来性を兼ね備えたオーダーメイド住宅が実現します。

    おしゃれな建築実例を見ると、自分たちの家づくりへの夢が膨らみます。ここでは、その夢を具体的な形にするための「間取り」の考え方について、専門的な視点から3つのヒントを解説します。理想の暮らしを実現するためには、デザイン性だけでなく、機能性や将来性を見据えた間取り計画が不可欠です。ご自身のライフスタイルと照らし合わせながら、家づくりの参考にしてください。

    家族構成に合わせた間取りの考え方

    オーダーメイド住宅の最大の魅力は、現在の、そして未来の家族の形に合わせて最適化された空間を創造できる点にあります。重要なのは、現在の暮らしやすさだけでなく、10年後、20年後を見据えたライフステージの変化に対応できる可変性を持たせることです。ここでは代表的な家族構成を例に、間取りを考える上でのポイントをご紹介します。

    夫婦二人暮らしの場合

    夫婦二人の時間を豊かにするため、共通の趣味やそれぞれの時間を大切にする空間づくりがテーマとなります。例えば、広いリビングダイニングで友人を招いたり、書斎やアトリエなど個々の趣味に没頭できるスペースを設けたりするのも良いでしょう。将来的に家族が増える可能性も考慮し、子供部屋として使えるフリースペースを設けておくと、柔軟に対応できます。

    子育て世代の場合

    お子様の成長段階に合わせて、求められる間取りは変化します。幼少期は、キッチンからリビングやキッズスペースが見渡せる対面キッチンを採用するなど、家事をしながら子供の様子を見守れる「ながら動線」が重宝されます。学童期には、リビングの一角にスタディコーナーを設けたり、将来的には2部屋に分割できるような広い子供部屋を計画したりと、成長に応じた工夫が求められます。

    二世帯住宅の場合

    二世帯住宅では、お互いのプライバシーを尊重しながら、必要な時にサポートし合える適度な距離感を保つことが成功の鍵です。生活空間をどこまで共有し、どこから分離するかの「ゾーニング」が重要になります。玄関や水回り(キッチン、浴室、トイレ)を完全に分離するのか、一部を共有するのかによって、間取りは大きく変わります。それぞれの世帯の生活リズムや価値観を事前にしっかりと話し合い、最適な形を見つけましょう。

    ライフステージ間取り計画の主なポイント具体的なアイデア例
    夫婦二人趣味やライフスタイルを反映させ、将来の可変性も確保する・LDKと一体化した広いテラス
    ・それぞれのワークスペースや書斎
    ・間仕切りで変更可能なフリールーム
    子育て世代(乳幼児期)安全性と見守りのしやすさを最優先する・リビング横の畳コーナー(お昼寝・遊び場)
    ・キッチンから全体が見渡せる設計
    ・角の丸い壁や引き戸の採用
    子育て世代(学童期〜)子供の自立と家族のコミュニケーションを両立させる・リビング学習ができるスタディカウンター
    ・プライバシーを確保しつつ、気配を感じられる子供部屋の配置
    ・分割可能な子供部屋
    二世帯プライバシーの確保と共有スペースのバランスを考える・玄関、水回りの分離・共有計画
    ・生活音に配慮した部屋の配置
    ・共有の中庭やリビング

    収納計画でスッキリ暮らすコツ

    快適な暮らしを維持するためには、適切な収納計画が欠かせません。「収納は多ければ多いほど良い」と考えがちですが、大切なのは量よりも「質」と「配置」です。生活動線や家事動線上に、必要なものを必要な場所に収納できる「適材適所」の収納を計画することで、片付けやすく、散らかりにくい家が実現します。

    • 玄関のシューズインクローゼット(SIC)
      靴だけでなく、ベビーカーやアウトドア用品、コートなどを収納できるスペース。土間続きにすることで、汚れたものも気にせず置くことができます。
    • キッチンのパントリー
      食品のストックや調理器具、普段使わない食器などをまとめて収納できる食品庫。キッチン周りがスッキリし、在庫管理もしやすくなります。
    • 主寝室のウォークインクローゼット(WIC)
      衣類やバッグ、季節家電などを一か所にまとめて収納できる空間。衣替えの手間が省け、コーディネートもしやすくなります。
    • リビング収納
      家族が共有で使うものを収納するスペース。書類や文房具、子供のおもちゃなどをしまう場所を決めておくことで、リビングが散らかりにくくなります。
    • 洗面脱衣室のリネン庫
      タオルや下着、洗剤のストックなどを収納するスペース。入浴や洗濯の動線がスムーズになります。

    収納スペースの面積は、延床面積の12〜15%程度が目安とされていますが、ご自身の持ち物の量に合わせて計画することが重要です。

    光と風を取り込む設計のポイント

    心地よい住まいの基本は、自然の光と風を効果的に取り入れることです。太陽の動きや風の流れを計算し、窓の配置や大きさを工夫する「パッシブデザイン」の考え方を取り入れることで、エネルギー消費を抑えながら、一年を通して快適な室内環境を保つことができます。

    • 窓の配置と大きさ
      南側には日射を取り込む大きな窓を、北側には安定した光を取り入れる窓を配置するのが基本です。また、風の通り道を作るために、対角線上に窓を設ける「通風計画」も重要。高い位置と低い位置に窓を設けることで、温度差による自然な空気の循環(重力換気)を促すこともできます。
    • 吹き抜けや高窓(ハイサイドライト)の活用
      吹き抜けは、1階のリビングに明るい光を届けるだけでなく、空間に開放感とダイナミズムをもたらします。高窓は、隣家が近い場合でもプライバシーを確保しながら、安定した光を室内の奥まで届けるのに効果的です。
    • 中庭(コートハウス)やウッドデッキ
      建物の内側に庭を設ける中庭は、外部からの視線を気にすることなく、全部屋に光と風を届けることができます。リビングと一体化したウッドデッキは、内と外を緩やかにつなぎ、開放的な空間を演出します。
    • 視線の抜けを意識する
      部屋の対角線上に窓を設けたり、室内にガラスの間仕切りを使ったりすることで、視線が遠くまで抜け、空間を広く感じさせることができます。

    これらのヒントを基に、建築家や設計士と相談しながら、ご家族にとって本当に心地よい、世界に一つだけの住まいを形にしていきましょう。

    オーダーメイド住宅の費用相場と予算の考え方

    理想の住まいを実現するオーダーメイド住宅。その魅力に惹かれる一方で、多くの方が気になるのが「費用」ではないでしょうか。ここでは、オーダーメイド住宅の費用相場や内訳、そして予算内で理想を叶えるためのコストコントロール術について、専門的な視点から分かりやすく解説します。

    本体工事費以外の諸費用も忘れずに

    オーダーメイド住宅にかかる費用は、大きく分けて「本体工事費」「別途工事費」「諸費用」の3つで構成されます。広告などで目にする「坪単価」は、多くの場合「本体工事費」のみを指しており、実際に家を建てて住み始めるまでには、それ以外の費用が総額の20~30%程度必要になることを念頭に置く必要があります。

    まずは、住宅金融支援機構の2022年度「フラット35利用者調査」を参考に、注文住宅の全国的な費用相場を見てみましょう。オーダーメイド住宅は仕様によって価格が大きく変動しますが、一つの目安として参考にしてください。

    建築の種類全国平均所要資金
    注文住宅(土地代含まず)約3,715万円
    土地付注文住宅約4,694万円

    この所要資金には、見落としがちな「別途工事費」や「諸費用」が含まれています。具体的にどのような費用があるのか、下の表で確認し、資金計画の初期段階から漏れなく予算に組み込んでおきましょう。

    分類主な費用項目内容
    別途工事費地盤改良工事費土地の地盤が弱い場合に必要な補強工事の費用です。
    外構工事費門、塀、駐車場、庭の植栽など、建物の外周りに関する工事費用です。
    給排水・ガス引込工事費敷地内に水道管やガス管を引き込むための工事費用です。
    空調・照明・カーテン費用エアコンの設置や、照明器具、カーテンなどの購入・設置費用です。
    解体工事費既存の建物を解体して建て替える場合に必要となります。
    インテリア工事費造作家具の設置など、特別な内装工事にかかる費用です。
    諸費用登記費用・税金不動産取得税、登録免許税、固定資産税など、不動産の取得や登記に関わる税金や手数料です。
    住宅ローン関連費用融資手数料、保証料、団体信用生命保険料、火災保険料、印紙税など、ローン契約に必要な費用です。
    各種申請費用建築確認申請など、家を建てるために必要な行政手続きの手数料です。
    地鎮祭・上棟式費用工事の安全を祈願する祭事の費用です。実施は任意です。
    引越し・仮住まい費用現在の住まいからの引越し費用や、建て替え中の仮住まいの家賃などです。

    予算内で理想を叶えるコストコントロール術

    こだわりを詰め込むほど費用が膨らみがちなオーダーメイド住宅ですが、ポイントを押さえることで、予算内で満足度の高い家づくりが可能です。ここでは、賢くコストを管理するための具体的な方法をご紹介します。

    理想の暮らしに優先順位をつける

    まずは、家づくりにおいて「絶対に譲れないこと」と「妥協できること」を家族で話し合い、明確にリストアップしましょう。こだわりたい部分に予算を集中させ、優先度の低い部分の仕様やグレードを見直すことで、全体の費用を効果的に調整できます。例えば、「リビングの無垢材フローリングは譲れないが、子ども部屋の壁紙は標準仕様で良い」といった判断がコストコントロールの鍵となります。

    建物の形状や間取りを工夫する

    建物の形状は、コストに大きく影響します。凹凸の多い複雑なデザインよりも、正方形や長方形に近いシンプルな「総二階建て」の方が、外壁の面積や屋根の形状が単純になり、材料費や施工費を抑えることができます。また、キッチンや浴室、トイレといった水回りの設備を1階と2階の同じ位置に集約させると、給排水の配管が短くなり、工事費用を削減できます。

    建材や設備のグレードを吟味する

    キッチン、ユニットバス、窓、ドア、壁紙といった建材や住宅設備は、グレードによって価格が大きく異なります。すべての設備を最新・最高グレードにするのではなく、使用頻度やこだわりに応じてメリハリをつけることが重要です。ショールームで実物を確認し、標準仕様でも十分に満足できるものはないか、費用対効果を冷静に判断しましょう。

    複数の会社から相見積もりを取る

    依頼先を1社に絞らず、複数のハウスメーカーや工務店、設計事務所から見積もりとプラン提案を受ける「相見積もり」は必須です。同じ要望を伝えても、会社によって提案内容や得意な工法、使用する建材が異なるため、費用も大きく変わってきます。単に金額の安さだけで判断するのではなく、提案内容が自分たちの理想に合っているか、担当者との相性は良いかなど、総合的に比較検討することが、後悔しない依頼先選びにつながります。

    オーダーメイド住宅が完成するまでの流れ

    オーダーメイド住宅 完成までの8ステップ 相談から引き渡しまでの全体の流れと期間の目安 土地探しと依頼先選びは 並行して進めるのがポイント STEP3・4はじっくり時間をかけて プランと仕様を検討 STEP 1 相談・ 情報収集 2〜6ヶ月 STEP 2 依頼先決定・ 土地探し 3〜6ヶ月 STEP 3 プランニング・ 基本設計 2〜3ヶ月 STEP 4 詳細設計・ 仕様決定 2〜3ヶ月 STEP 5 建築確認申請 1〜2ヶ月 STEP 6 工事請負契約・ 着工 契約後すぐ STEP 7 施工・ 各種検査 4〜6ヶ月 STEP 8 完成・ 引き渡し 検査後すぐ 時間の流れ 計画・設計フェーズ(STEP1〜4) 家族の要望整理・プランニング・仕様決定(じっくり検討) 手続き・工事フェーズ(STEP5〜8) 法的手続き・契約・施工・検査〜完成・引き渡し 全体の目安期間:およそ1年〜1年半 ・土地や予算、プラン内容によって前後します ・特にSTEP3・4に十分な時間を確保することで、完成後の満足度が高まります

    理想の住まいを実現するオーダーメイド住宅は、思い描いたイメージが少しずつ形になっていく、感動的なプロセスです。しかし、同時に多くのステップを踏む必要があり、全体像を把握しておかなければ不安を感じることもあるでしょう。ここでは、最初の相談から夢のマイホームが完成し、引き渡されるまでの一般的な流れを8つのステップに分けて詳しく解説します。全体のスケジュール感を掴むことで、計画的に、そして安心して家づくりを進めることができます。

    相談から引き渡しまでの8ステップ

    オーダーメイド住宅の計画は、情報収集から始まり、約1年から1年半ほどの期間を要するのが一般的です。土地の状況やプランニングの内容によって期間は変動しますが、大まかな流れと各ステップの目安を理解しておくことが大切です。特に、プランニングや仕様決定には時間をかけ、納得のいくまで検討を重ねましょう。

    ステップ項目主な内容期間の目安
    1相談・情報収集家族の理想の暮らしや要望の整理、予算計画、情報収集、依頼先候補の選定2ヶ月~6ヶ月
    2依頼先決定・土地探し建築会社の比較検討、プラン提案、概算見積もりの確認、依頼先の決定。土地がない場合は並行して土地探しを行う。3ヶ月~6ヶ月
    3プランニング・基本設計ヒアリングをもとに、間取り、外観、デザインなどの基本プランを作成。住宅ローンの事前審査もこの段階で行う。2ヶ月~3ヶ月
    4詳細設計・仕様決定内外装の素材、キッチンや浴室などの住宅設備、コンセントの位置など、細部まで仕様を決定し、最終的な見積もりを作成。2ヶ月~3ヶ月
    5建築確認申請作成した設計図が建築基準法などの法令に適合しているか、行政または指定確認検査機関による審査を受ける。1ヶ月~2ヶ月
    6工事請負契約・着工最終図面と見積もりに合意し、建築会社と工事請負契約を締結。地鎮祭を行い、基礎工事から着工する。契約後すぐ
    7施工・各種検査基礎工事、上棟、屋根・外壁工事、内装工事と進む。第三者機関による配筋検査や中間検査も実施される。4ヶ月~6ヶ月
    8完成・引き渡し建物が完成し、行政による完了検査と施主による竣工検査(施主検査)を行う。問題がなければ残金を支払い、鍵の引き渡し。検査後すぐ

    上記の流れはあくまで一例です。特に重要なのが、STEP3とSTEP4のプランニングと仕様決定の段階です。ここでじっくりと時間をかけて家族の要望を反映させ、細部までこだわりを詰め込むことで、完成後の満足度が大きく変わってきます。また、工事が始まってからの大幅な変更は、追加費用や工期の延長につながるため、契約前の段階で納得いくまで打ち合わせを重ねることが成功の鍵となります。

    土地探しと依頼先選びの重要性

    オーダーメイド住宅のプロセスにおいて、初期段階の「土地探し」と「依頼先選び」は、その後の家づくり全体の方向性を決定づける極めて重要な要素です。この二つを切り離して考えるのではなく、理想の家を建てるという最終目標を見据え、並行して進めることを強く推奨します。

    なぜなら、土地にはそれぞれ建ぺい率や容積率、高さ制限といった法規制があり、土地の形状や周辺環境によって建てられる家の大きさや間取りが大きく左右されるからです。先に土地だけを決めてしまうと、「思い描いていた広さのリビングが作れない」「理想の駐車スペースが確保できない」といった事態に陥る可能性があります。

    そこで、信頼できる依頼先(ハウスメーカー、工務店、設計事務所)を早めに見つけ、パートナーとして土地探しから関わってもらうことが有効です。建築のプロの視点から、その土地に本当に理想の家が建てられるのか、土地のポテンシャルを最大限に引き出すプランは何かを判断してもらえます。また、土地代と建築費を合わせた総予算を的確に管理しやすくなるというメリットもあります。土地探しと依頼先選びは、家づくりの成否を分ける最も重要な初期ステップであると認識し、慎重に進めましょう。

    後悔しない依頼先選び ハウスメーカー・工務店・設計事務所の比較

    理想のオーダーメイド住宅を実現するためには、家づくりのパートナーとなる依頼先選びが極めて重要です。依頼先には大きく分けて「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」の3つの選択肢があり、それぞれに特徴や得意分野が異なります。自分たちの理想の家づくりに最も適したパートナーを見つけるために、まずはそれぞれの違いを深く理解することから始めましょう。

    依頼先の種類とそれぞれの特徴

    ここでは、オーダーメイド住宅を依頼できる3つの業態について、その特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。ご自身の価値観や家づくりで重視したいポイントと照らし合わせながら、最適な依頼先を検討してみてください。

    ハウスメーカー

    全国的に事業を展開し、テレビCMなどでも知名度の高いのがハウスメーカーです。自社で生産体制を持ち、建材や設備を規格化することで、安定した品質の住宅を比較的短い工期で提供できるのが最大の強みです。住宅展示場にモデルハウスを構えていることが多く、実際に建物を見学して完成イメージを掴みやすいのも魅力でしょう。豊富な実績に基づいた多彩な商品ラインナップから、好みに合ったプランを選びやすい一方、規格化されているため設計の自由度には一定の制約がある場合もあります。保証やアフターサービスが充実しているため、入居後も長く安心を求める方に向いています。

    工務店

    工務店は、特定の地域に密着して家づくりを行う会社です。ハウスメーカーに比べて規模は小さいものの、その分、施主一人ひとりの要望に柔軟に対応できる高い設計自由度が特徴です。地域の気候や風土を熟知した提案が期待でき、社長や設計士、職人との距離が近いため、コミュニケーションを取りながら細部までこだわった家づくりを進められます。ただし、会社によってデザインの傾向や技術力に差があるため、過去の施工事例などをしっかりと確認し、自分たちの理想と合致するかを見極めることが重要になります。

    設計事務所(建築家)

    設計事務所は、建築家が施主の代理人となり、住宅の設計から工事監理までを一貫して行います。最大の魅力は、あらゆる制約の中で施主の理想を最大限に引き出す、唯一無二の独創的なプランニングです。変形地や狭小地といった難しい土地の条件を活かした設計も得意とします。設計と施工が分離しているため、第三者の立場で施工会社を厳しくチェック(工事監理)してくれる点も安心材料です。ただし、設計料が別途必要になることや、建築家との対話を重ねて設計を練り上げるため、完成までの期間が長くなる傾向があります。デザイン性やコンセプトを何よりも重視したい方に最適な選択肢と言えるでしょう。

    【比較表】あなたに合う依頼先はどれ?

    ハウスメーカー、工務店、設計事務所の特徴を一覧で比較してみましょう。ご自身が家づくりにおいて何を優先したいのかを明確にすることで、最適なパートナーが見えてきます。

    比較項目ハウスメーカー工務店設計事務所
    設計の自由度△(規格の範囲内)◎(非常に高い)◎(最も高い)
    デザイン性○(多彩な商品)△~◎(会社による)◎(独創的)
    費用○(坪単価が明確)○(柔軟に対応可能)△(設計料が別途必要)
    工期◎(短い傾向)○(標準的)△(長い傾向)
    品質◎(安定・均質)△~◎(会社による)◎(工事監理で担保)
    アフターサービス◎(充実・長期的)△~○(会社による)△(会社による)

    信頼できる会社を見つけるためのチェックリスト

    どの業態を選ぶにしても、最終的には「一社」の信頼できるパートナーを見つけ出すことが成功の鍵です。会社選びで後悔しないために、以下のポイントを必ずチェックしましょう。

    • 施工事例やデザインが自分たちの好みに合っているか
      過去の実績は、その会社の実力やデザインの方向性を示す最も分かりやすい指標です。ウェブサイトやカタログだけでなく、可能であれば完成見学会に足を運び、実際の建物の質感や空間を体感することをおすすめします。
    • 担当者との相性が良く、コミュニケーションは円滑か
      家づくりは、担当者と何度も打ち合わせを重ねる長い道のりです。こちらの要望を正確に理解し、専門家として的確なアドバイスをくれるか、また、話しやすく信頼できる人柄かどうかも非常に重要な判断基準となります。
    • 見積もりの内容が詳細で分かりやすいか
      「一式」といった曖昧な項目が多い見積もりは注意が必要です。どのような建材や設備が使われるのか、項目ごとに単価や数量が明記されているかなど、透明性の高い見積もりを提示してくれる会社を選びましょう。
    • 会社の経営状態は安定しているか
      長期にわたる保証やメンテナンスを考えると、会社の安定性は不可欠です。建設業許可や住宅完成保証制度への加入状況などを確認し、安心して任せられる会社かを見極めましょう。
    • メリットだけでなく、デメリットやリスクも正直に伝えてくれるか
      家づくりには様々な制約が伴います。良いことばかりを並べるのではなく、できないことやリスクについても誠実に説明してくれる会社こそ、本当に信頼できるパートナーと言えるでしょう。

    まとめ

    オーダーメイド住宅は、家族のライフスタイルや価値観を隅々まで反映させ、理想の暮らしを形にできる最良の家づくりです。建売住宅や規格型住宅にはない、完全自由設計ならではの高い満足感が最大の魅力と言えます。

    費用や時間がかかるという側面はありますが、これらは事前の綿密な計画と信頼できるパートナー選びによって十分に乗り越えることが可能です。本記事でご紹介した建築実例や間取りのヒントを参考に、まずはご家族で「どのような暮らしを実現したいか」を具体的にイメージすることから始めてみてください。

    後悔しないオーダーメイド住宅を実現するための最も重要な結論は、ご自身の理想を深く理解し、それを形にしてくれる最適なパートナーを見つけることです。ハウスメーカー、工務店、設計事務所それぞれの特徴を比較検討し、信頼できる会社と共に、世界に一つだけの住まいづくりを実現させましょう。

    【PR】関連サイト

    株式会社友紀建築工房

    詳細情報

    〒444-0806 愛知県岡崎市緑丘2丁目11番5号

    URL:https://yuukistyle.com/

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    目次